新型フォード『フォーカス』はマツダ『アクセラ』とプラットフォームを共用しているが、その走りには大きな違いが見られた。
フォードアジアパシフィック&アフリカ プロジェクトマネージャーのイアン・ディグマンさんは「フォーカスとアクセラはプラットフォームやサスペンションの取り付け部分など、共用されている部分は多いですが、ダンパーやスプリングなど、チューニングできる部分はすべてフォードで独自に開発しています。その結果、それぞれのブランドで、違ったフィーリングに仕上がっていると思っています」と説明する。
実際にフォーカスに乗ってみると、ドイツ車らしい乗り味に仕上がっていた。ハンドリングにはリニアリティがあり、ステアリングの舵角に応じてキチっとクルマが向きを変えてくれる。乗り心地に関しても、決して柔らかくはないが不快な硬さはない。
このフットワークの確かさは、VW『ゴルフ』に勝るとも劣らないレベルに達している。ストロークを深く取りながらも、クルマの挙動は極力抑えられているので、低速域から高速域まで安心してコーナリングを楽しむことができる。
先代に比べると、キビキビ感やシャープな雰囲気は若干薄れているが、ワインディングも早いペースで安心して走れる、安定感の高いフットワークを手に入れている。この落ち着いた乗り味は、新型フォーカスの最大の魅力といっていいだろう。ハンドリングに関しては、間違いなくクラストップレベルといえそうだ。