『ユビキタスマップ・ワールド』新事業構想…インクリメントP

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電子地図出版会社であるインクリメントP(以下:iPC)は12月8日、同社が目指す『ユビキタスマップ・ワールド』の実現に向けた新事業構想を発表した。

同社は1994年にパイオニア製カーナビ用地図ソフトを制作する会社としてスタートしたが、その後MapFanに代表されるPC用パッケージソフトにも進出。99年からはパイオニア以外のカーナビへも地図ソフトを供給したり、また2000年には携帯電話向けMapFanを、02年には通信型ナビ『AirNavi』を事業をスタートさせるなど、多彩な展開を行ってきた。

iPCが行ったアンケート調査によると、カーナビやブロードバンドの普及により、現在では必要な地図情報が手軽に得られるようになっており、その結果、PC所有者の約90%、携帯電話でも約32%が電子地図の利用経験を持つまでになったという。その反面、「地図情報の新しさ」という面では不満を持つユーザーが全体の半数近くにも上るなど、電子地図へのメリットを感じつつも、その不満の声も多数聞こえてきているとしている。今回の新事業構想の発表は、そうした背景の下で行われた。

新事業の柱は「ユビキタスマップ・ワールド」の実現にある。それは、最先端の地図サービスを、いつでも、どこでも、誰にでも手軽に利用できる社会の実現を目指すものだ。そのために欠かせない事業が『M-NeT Concept』だ。

より高精度な地図データベースの構築するためにiPCは100%出資の現地調査会社グローバル・サーベイ(株)を2005年4月に設立。都市地図整備の拡張を現在の80%程度から人口カバー率90%超へ拡大したり、実走行によって全国の117万kmにもおよぶ全道路の現地調査などを行う。発表会では、現地調査で全道路をキャプチャすることでより高精度なDBとして利用できるよう体制を整え、すでにカーナビやMapFan webなどで展開中の「Spot! It!」を利用してユーザーとの連携を強めるという、独自の手法も紹介された。

この『M-NeT Concept』はすでに商品の展開としてスタートしており、その第一弾が12月2日に発売された「MpaFan PLANNER」である(詳細はhttp://www.mapfan-p.com/)。これはカーナビがなくても、VICSによる渋滞を考慮したドライブプランが作成できるという、ドライブ計画支援マップソフト。

発売されたのは地図データをDVD-ROMに収録した『DVD全国版』と、地図データをサーバーからダウンロードして使う『オンライン版』の2種類。いずれもサーバーにネット経由でアクセスすることで、5分ごとに更新される渋滞情報が取得でき、現在/10/20/30分前の渋滞情報を連続して見ることも可能。さらに過去13カ月分の渋滞情報を表示することもできる。

その他、携帯電話へドライブナビゲーターとしての利用を2006年にはスタートさせ、カーナビへの差分更新フォーマットの展開も2007−8年頃には市場導入を目指すともしている。

《会田肇》

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