宮城 多賀城の27人死傷事故で懲役20年を求刑

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宮城県多賀城市内の国道45号線で今年5月、泥酔状態でRVを運転中に道路を横断中の高校生を次々にはね、27人を死傷させたとして、危険運転致死傷罪に問われた26歳の男に対する論告求刑公判が12日、仙台地裁で開かれた。

問題の事故は5月22日の午前4時15分ごろ、多賀城市八幡1丁目付近の国道45号線で発生している。左折待ちをしていた乗用車に赤信号を無視して進行してきた泥酔運転のRVが衝突。乗用車を押し出すようにして前方の横断歩道に突っ込み、横断していた高校生を次々にはね。27人が死傷した。

RVを運転していた26歳の男は事故直前まで約7時間に渡って飲酒。自分が泥酔状態であることを認識しながらも、一緒に酒を飲んでいた男を家まで送るためにクルマを運転。走行を始めた直後から断続的な居眠り状態に陥り、結果として事故を起こした。

被告と弁護人はこれまでの公判で「事故は泥酔運転を起因としたものではない」と主張。事故を起こす直前の居眠り運転については「被告は前日からの仕事でほぼ丸一日、睡眠を取っておらずこれが原因となった」、「起こしてしまった事故の結果には何ら弁解できないが、クルマに乗りこんだ当時は足がふらつくこともなかった」とも主張し、危険運転と認めるには証拠が十分ではないとした。

これに対して検察側は、被告が事故の直前から居眠りや泥酔による判断遅れが原因とみられる信号無視や蛇行運転を繰り返していたことを指摘。飲酒もいわゆるハシゴ酒で重ねたことから「被告は抑制なく飲酒を重ね、正常な運転が困難なのが明らかなのに運転を強行し、仮睡状態で同高生の列に突っ込んだ。この結果、クルマは走る凶器と化し、多数の死傷者を出した」と、事故の原因が泥酔運転の強行であることを改めて示した上で「この状態は無差別殺人に匹敵すると言わざるを得ない」とし、危険運転罪の法定刑上限である懲役20年の実刑を求刑した。

《石田真一》

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