イタリア・フィレンツェでも市街流入車に課金する「ロードプライシング制」が検討され始めた。同市のレオナルド・ドメニチ市長がこのほど明らかにしたもので、渋滞とスモッグの緩和が目的である。実施されれば1990年のオスロ、2003年のロンドンに続くものとなる。
フィレンツェの人口は44万人。従来もウッフィツィ美術館や大聖堂周辺など旧市街中心部で、居住者や納品車以外の進入規制を行なってきた。また、公共交通機関の利用を促すべく市の入口付近に公共駐車場の設備も進めてきた。
それでも依然、「毎日市内を通過する車両の6割が市外からの流入車」という現状から、今回の検討が始まった。すでに専門の委員会に付託され、そこで料金も決められる予定である。
ただしフィレンツェは市外からの観光バス・観光ハイヤーなども多く、さらにここ数年観光産業自体が停滞している。今回の課金案でさまざまな議論が巻き起こることは必至だ。
なお、ロードプライシングの“先輩”ロンドンには、「9席以上の公共バスおよび馬車は除外」という規定がある。これを機会に、クルマから馬に乗り換えるのが得策か?