【マツダ MPV 新型発表】エンジンとトルコンとの組み合わせに苦労

自動車 ニューモデル 新型車
【マツダ MPV 新型発表】エンジンとトルコンとの組み合わせに苦労
【マツダ MPV 新型発表】エンジンとトルコンとの組み合わせに苦労 全 4 枚 拡大写真
走りが売りの新型マツダ『MPV』。なかでも245psというハイパワーを誇るターボモデル「23T」は、シリーズのイメージリーダー的存在である。

マツダのラインナップ中もっともハイパフォーマンスなスポーツセダン『マツダスピードアテンザ』にも採用された2.3リットル直4直噴ターボエンジンにアイシンAWが誇る横置きエンジン用6速ATと組み合わせ、本格的な“スポーツミニバン”にふさわしい動力性能を得ている。

このターボモデル、実は開発には結構手間がかかったという。

「スポーツカーのようなミニバンを作るというので、最初はハイパワーエンジンにダイレクト感重視の滑りの少ないトルコンを組み合わせさえすればいいと思っていました。しかし、実際にその考え方で作った試作車を走らせてみたら、ドライバビリティは最悪でした」(パワートレイン開発推進部・青木基氏)

ターボエンジンにはターボラグがある。滑りの少ないストールトルク比のタイトなトルクコンバーターを使うと、ターボの過給が立ち上がりにくい2000rpm以下の極低回転域を多用することになってしまい、トルクコンバーターの滑りで勢いよく発進してからすぐに加速が鈍り、アクセルをさらに踏み込むとやおらブーストが立ち上がってオーバーシュート気味になるといった状態だったという。

「それを解消するため、ピークパワーを下げて低速トルクとターボ過給の立ち上がり特性を改善しました。また、トルクコンバーターも低回転域で滑りの大きいものに変え、ターボの過給が立ち上がる回転数に到達しやすいようにしました。ほか、電子制御スロットルボディのチューニングなど、さまざまな改良を加えて、ようやくハイパワーと自然なドライブフィールを兼ね備えたモデルに仕上がりました」(青木氏)

入念なチューンによって高質なスポーティさを演出したという「23T」。その走行フィールは一度あじわってみるだけの価値がありそうだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
  2. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  3. マツダ、新型電動SUV『EZ-60』を中国発売…約250万円から
  4. BMWが機能向上、『2シリーズ』新色・『4シリーズ』照明強化・『5シリーズ』利便性アップ…今秋から欧州で
  5. 三菱自動車、次世代技術搭載のコンセプトカー発表へ…ジャパンモビリティショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る