超過勤務が常態化、多重衝突事故を起こした運転手の会社に処分

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国土交通省・近畿運輸局は8日、昨年11月に彦根市内の名神高速道路で7人が死亡する多重衝突事故を起こし、業務上過失致死罪で起訴された40歳の男が勤務する運送会社に対し、7日間の事業停止を命じた。また、その後の81日間については営業用の車両3台の運行停止も命じている。

問題の事故は2005年11月13日に発生している。同日の午前5時ごろ、彦根市小野町付近の名神高速道路下り線で、後輪のパンクが原因で低速走行していたワゴン車に対し、後続の大型トラックが追突してワゴン車は横転。

衝突を避けようとワゴン車の手前で停車した車両6台に対し、後ろから走ってきた被告の運転する大型トラックが減速しないまま突っ込み、これらのクルマを押し出すようにして約30mを走り抜けた。横転していたワゴン車はこれによって大破。周囲にいた7人が死亡、他のクルマの3人も重軽傷を負った。

業務上過失致死の現行犯で逮捕された男は警察の調べに対して「事故当日まで約1週間を休まずに働いた」、「疲れてボーッとしていた」、「現場手前のパーキングエリアで仮眠を取ったが、予定よりも寝過ごし、慌てて出発した」などと供述しており、同局が勤務先の運送会社に立ち入り検査を行ってトラックの運行記録を調べたところ、男は連続5-6時間の運転を毎日のように繰り返していたことが発覚。この会社に勤務する他の運転手についても同じような勤務パターンが確認され、ほぼ常態化していることがわかった。

貨物自動車運送事業法では「連続運転を4時間以内に抑える」と規定されており、同局ではこれに違反すると判断。この会社に対して7日間の事業停止と、以後81日間は営業用の大型トラック3台を使用停止にする処分を命じた。

《石田真一》

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