千葉 松尾の8人死傷事故で懲役20年の実刑判決

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2005年2月、千葉県松尾町内で泥酔運転の末に歩行者8人を死傷させたとして、危険運転致死傷や窃盗、道路交通法違反(無免許、ひき逃げ)の罪に問われた32歳の男に対する判決公判が14日、千葉地裁で開かれた。裁判所は併合罪を適用し、被告の男に対して懲役20年の実刑を命じている。

問題の事故は2005年2月5日の午後9時20分ごろ発生している。千葉県松尾町下野付近の県道で、道路を歩いていた男女8人が後ろから走ってきたクルマにはねられた。8人は衝突の衝撃で数十メートル弾き飛ばされ、このうち4人が死亡。残る4人も重軽傷を負った。

事故を起こしたクルマは逃走したが、警察では翌6日朝に出頭してきた31歳の男を業務上過失致死傷と道交法違反(無免許運転)の容疑で逮捕している。

その後の調べで、この男が事故当時に泥酔状態だったことが判明。事故を起こしたクルマは知人が所有しているもので、これを盗んで帰宅する途中に事故を起こしていたこともわかった。警察では「極めて悪質」として、危険運転致死傷容疑で送検。検察側もこれを支持して同罪で起訴していた。

14日に開かれた判決公判で千葉地裁の山口雅高裁判長は「被告は事故当時、第三者が見ても分かるほどに平衡感覚を失っていた」と認定。「アルコールの影響で運転操作が困難な状態で自動車を走行させていた」として、被告弁護側の「運転が困難になるほど酔ってはおらず、正常に運転できる状態だった」という主張を退けた。

また、ひき逃げに至る要因を「飲酒と無免許の発覚を恐れた」と認め、検察側が主張していた併合罪の適用も容認。被告が自ら出頭したことについてのみ酌量の余地を認め、懲役20年の実刑判決を言い渡した。

被告側は「事故に気づいておらず、ひき逃げではない」と主張していたが、この部分と「アルコールの影響はなかった」とする部分が容認されなかったことを理由に控訴している。

《石田真一》

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