フェード起因暴走で実刑判決

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2005年8月、静岡県三島市内の国道1号で、ブレーキが効かなくなった自走式クレーン車が数kmに渡って暴走し、その間に乗用車など4台に次々に衝突する事故を起こし、7人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われた58歳の男に対する判決公判が20日、静岡地裁沼津支部で開かれた。裁判所は禁固3年の実刑を命じている。

問題の事故は2005年8月20日の午後0時20分ごろに発生している。三島市谷田付近の国道1号で、信号待ちをしていた乗用車に対して58歳の男が運転する自走式クレーン車が追突、乗用車を押しのけて前進を続け、約700m離れた場所で70歳の男性が運転する別の乗用車にも追突した。この乗用車は右側に押し出され、対向車線を順走していた大型ミキサー車と衝突して大破。乗っていた2人が死亡した。

その後もクレーン車は止まらずに走り続け、結果として車両6台を巻き込み、他の5人も重軽傷を負う多重衝突事故に発展している。

警察ではクレーン車を運転していた男を業務上過失傷害などの容疑で逮捕した。男は国道1号の箱根峠から三島方面に下る際、フットブレーキを多用しすぎてフェード、事故当時にはほとんど効かない状態となっていた。男はブレーキが効かなくなっていたことも認識していたが、運転を止めずに強行したことが事故被害を拡大させたことも明らかになった。検察は同罪で男を起訴していた。

20日に開かれた判決公判で、静岡地裁沼津支部の姉川博之裁判官は「被告はブレーキの異常を認識していたのに運転を続けた」と認定した。その上で「クルマを運転する者として守るべき基本的注意義務を怠った一方的過失によるもので、強い非難に値する」と述べ、禁固3年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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