ホンダHPD社長クラーク氏、アメリカンモータースポーツの展望を語る

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ホンダHPD社長クラーク氏、アメリカンモータースポーツの展望を語る
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インディ・ジャパン300が開催中のツインリンクもてぎで、ロバート・クラークHPD(ホンダ・パフォーマス・デベロップメント)社長が会見。今後アメリカでのHPDのレースへの取り組みについて語った。

インディカー・シリーズは、今季ホンダのワンメイク体制だ。「最初に1社でリーグすべてのエンジンを担当することが決定した時は、正直に言うと、パーツの供給や、人材、設備も充分だろうかと、不安もあった」と当時の心境を率直な語り口で吐露。

「しかし今回のもてぎ戦を含め、ここまでエンジンサプライヤーの立場で言うと非常に順調に進行している。ワンメイクになったことでレースはコンペティティブな展開になっている。エンジン自体も進化しており、ここまでは(寿命、耐久)900マイルを想定していたが、次戦インディ500からは1200マイルになり、1基のエンジンで2レースをこなすことができる」と加えた。

先に発表されたアメリカン・ルマン(ALM)参戦についても、「HPDはまだ若い会社だ。新しいシリーズへ参戦するということは、複数のシリーズに挑戦する力をつけることができたということにほかならない。ホンダはレース活動の中で、人とテクノロジーを育ててきたが、ALMで他メーカーと切磋琢磨することにより、我々もさらに成長してゆけると思う。またアキュラブランドとして初のモータースポーツ参画となるわけだが、マーケティングの視点で言っても、ALMはアキュラブランドを拡大する為の最適なプラットフォームだと考えている」とコメント。

当初はプロトタイプカテゴリーのP2クラスからスタートし、HPDはエンジンの設計、開発、メンテナンスを担当し、シャシーはローラ(イギリス)やクラージュ(フランス)など、複数メーカーのものを採用する方向だが、「シャシーの開発や、P1クラスへのステップアップなど、コンペティションの中で、段階を踏みながら挑戦の枠を広げてゆきたい」と抱負を語った。

最後にIRLとCCWS(チャンプカー・シリーズ)との合併の噂についての質問に答えて、「アメリカのオープンホイールシリーズは、なんらかの再構築が必要な局面にあると認識している。ホンダはどちらのシリーズともコンタクトを取り、アメリカのレース界発展のためにエンジンサプライヤーとしてできる協力は惜しまない」と回答。ともすれば、政治的にイニシアチブを握る立場にあるようなとらえられ方をする傾向もある中で、エンジンサプライヤーとして中立の立場を明確にしたうえで、再構築への動きを歓迎し、積極的に関与していく姿勢を表明した。

同じくアメリカの人気ストックカーシリーズ、NASCAR参戦の意向への問いに対しても、「人気のあるシリーズなので注目はしているが、現時点での我々の展望とは一致しない」と、率直な言葉で否定。

ホンダはオープンホイールのトップカテゴリーを、アキュラはルマン・タイプのレースを極めてゆく方向性を強調した。

《ケニー中嶋》

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