漫然運転で死亡事故の現職警官に罰金刑

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2005年5月、福岡県北九州市内で道路を横断中の男性2人をクルマではねて死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた福岡県警の現職警察官に対する判決公判が16日、福岡地裁小倉支部で開かれた。裁判所は被告に罰金50万円の支払いを命じている。

起訴状によると、問題の事故は2005年5月29日の午前2時ごろに発生している。北九州市小倉南区沼本町付近の県道を64歳と79歳の男性が横断していたところ、福岡県警・田川署の刑事2課に所属する30歳(当時)巡査長のクルマが制限速度を超過した状態で進行し、2人を次々とはねた。2人は近くの病院に収容されたものの、頭や腰を強打して間もなく死亡した。

巡査長は事故当日は非番で、北九州市内にある実家に向かう途中だった。事故が起きた県道の制限速度は50km/hだったが、ここを80‐90km/hで。しかも脇見をするなど漫然運転の状態で進行していた。また、被害者2人は泥酔に近い状態だったとみられ、横断歩道のない場所を漫然と横断していたとみられていた。

警察は「逃走の恐れがない」として巡査長を逮捕することなく、任意での事情聴取を行い、小倉区検も略式起訴していた。しかし、小倉簡裁は「2人が死亡した事案であり、略式手続き不相当だ」と判断。地裁での正式な公判手続きに移行させていた。

16日に開かれた判決公判で、福岡地裁小倉支部の出口博章裁判官は「制限速度を超過した状態で走行するなど、被告の過失は決して小さくない」と指摘したが、その一方で「被害者側も泥酔した状態で漫然と横断するなどの落ち度があった」と認定。遺族が強い処罰を望んでいないことなども斟酌して情状の酌量を認め、罰金50万円の支払いを命じる判決を言い渡している。

《石田真一》

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