胎児の死亡責任を認めて、実刑判決

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居眠り運転によって、出産予定日を3日後に控えた女性に重傷を負わせ、緊急出産で生まれた新生児を死亡させたとして、業務上過失致死傷罪に問われたブラジル国籍を持つ30歳の男に対する判決公判が8日、静岡地裁浜松支部で行われた。裁判所は被告に対し、禁固1年8カ月の実刑を命じている。

問題の事故は今年3月7日に発生している。静岡県袋井市川井付近の県道を走行していたブラジル国籍を持つ30歳の男が運転する乗用車が対向車線側に逸脱し、29歳の女性が運転する軽自動車と正面衝突した。女性は出産予定日を3日後に控えていたが、腹部を打撲したことから緊急出産を行い、事故から約3時間後に男児を出産した。だが、この男児は胎盤早期はく離などが原因で翌8日に死亡している。

現行の刑法で胎児は人とみなされないが、検察では緊急出産していることを理由に「すでに出産したもの」とみなし、女性に対する致傷だけではなく、胎児に対する致死も責任として問うことを決め、業務上過失致死傷罪で起訴していた。

8日に開かれた判決公判で、静岡地裁浜松支部の志田洋裁判官は、「被告は事故によって被害者に胎盤早期剥離の傷害を負わせ、緊急出生した胎児は母体の傷害に起因して死亡した」と認定した。その上で裁判官は「新生児の誕生を心待ちにしていた両親が受けた精神的衝撃は深刻であり、居眠り運転で事故を引き起こした被告の過失も極めて重大だ」として、禁固1年8カ月の実刑を命じた。

《石田真一》

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