世界一高額なレモンカーのゆくえ

自動車 社会 社会

ロサンゼルス在住のエキゾチックカーディーラー、マーク・ジョンストン氏が、ダイムラークライスラーとその傘下であるメルセデスベンツに対し、170万ドル(約2億円)の返還を求める裁判を起こした。

事の起りは2003年、メルセデスベンツが世界に5台だけのリミテッドエディションの『AMG CLK-GTRロードスター』を発売したことにある。ジョンストン氏はアメリカ人としてただ1人、このクルマを170万ドルで購入。この価格は、ギネスブックに「市販車として最高価格のクルマ」と記載されている。

リミテッドエディションはカーボンファイバー製ボディで、エンジンは6.9リットル12気筒。0km/hから200km/hまで9.9秒で到達するという触れ込み。しかも最高速度は320km/hというのである。

しかしジョンストン氏によると、「10ブロックも走らないうちに動かなくなる最低のクルマ」で、「史上最高のレモンカー(メーカ−による不具合が見過ごされたクルマ)」。

ジョンストン氏はこのクルマを試乗したが、その時点でオイルゲージが点灯したり、トランスミッションがうまく作動しなかったりの不具合が見られたという。しかも試乗の途中クルマは突然停まり、結局ビバリーヒルズのショールームに牽引されて戻ったというのだ。

それでもジョンストン氏が購入を決意したのは、世界に5台という稀少さにより、このクルマを250万、あるいは300万ドルで転売できる、というディーラーならではの計算があったため。しかしその後もクルマはすぐに不具合を起こすため、結局売ることができなかった。ダイムラークライスラーでは返金に応じない姿勢のため、今回裁判に踏み切った。

どちらもどちら、という内容の裁判、判決はいかに?

《Sachiko Hijikata, US editor》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る