駐車違反監視員制度を見直しへ---イギリス

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イギリスでは、日本よりも早く、駐車違反監視員の民間委託を行ってきたが、政府は、その運用について見直しを進めている、と英『サンデー・タイムズ』紙が報じている。

イギリスの監視員制度では、駐車違反切符をきられたドライバーが腹をたてて、監視員に暴力を振るうケースも増えている。一方、監視員も、救急車や霊柩車に駐車違反切符をきったりするなど、モラルの低下も指摘されている。

現在、イギリスでは、3200万人のドライバーが、年間10億ポンド(2000億円)もの駐車違反の罰金を支払っている。1回の駐車違反につき、ロンドンでは最高100ポンド(2万円)、ロンドン以外では最高60ポンド(1万2000円)の罰金が課せられる。ただし、14日以内に支払えば半額になる制度もある。

政府の見直し案では、罰金の最高額をロンドンでは120ポンド(2万4000円)まで引き上げる一方、違反の内容に応じて罰金の額を減らす方向で検討が進められている。たとえば、ほんの少し車を離れていただけで駐車違反をとられた場合は、罰金の額が小さくなる。逆に、車を離れていた時間が長かったり、特に駐車違反の影響が大きい場所に車を止めていた場合は、罰金は最高額になる。

また、イギリスの駐車違反監視員はこれまで警察に雇用されていたが、これを地方自治体へと切り替えることで、警察官の代理ではなく地方自治体の公僕の代理へと、その位置づけを変更する。

もっとも重要な変更は、各自治体が、駐車違反の罰金を徴税システムと見なすことを禁じたということ。自治体は、駐車違反監視員に摘発件数の目標やノルマを課してはならない、というものだ。

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