今年4月、静岡県御殿場市内の東名高速道路下り線で大型トラックを飲酒運転し、これを起因とする多重衝突事故を起こしたとして、危険運転致傷罪に問われた41歳の男に対する判決公判が21日、静岡地裁沼津支部で行われ、裁判所は懲役2年の実刑を命じている。
問題の事故は4月2日夜に発生した。御殿場市神山付近の東名高速下り線で、事故渋滞のために発生した車列に後続の大型トラックが追突。結果として車両9台が関係する多重衝突に発展し、4人が骨折などの重傷を負ったほか、子供3人を含む10人が打撲や切傷などの軽傷を負った。
大型トラックを運転していた男は酒に酔った状態で、警察の調べに対しては「サービスエリアやキングエリアでの休憩中に酒を飲んだ」と供述。運転席からは焼酎のペットボトルも発見された。このため、当初は業務上過失傷害で逮捕されたが、後に危険運転致傷に容疑を変更。同罪で起訴された。
21日に開かれた判決公判で、静岡地裁沼津支部の有賀貞博裁判官は「被告はアルコールの影響が残っていることを認識しつつ、大型トラック運転した」と指摘。その上で「交通の安全や他者の生命身体への配慮に欠けた危険な犯行。事故の経緯や動機に酌むべき事情はない」として、懲役2年の実刑を言い渡した。