ひき逃げ容疑者、誤認逮捕で10カ月も拘置

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警視庁は6月29日、2005年6月に東京都世田谷区内で重傷ひき逃げ事故を起こしたとして、同年8月に逮捕して以後、約10カ月に渡って拘置されていた27歳の男性について、誤認逮捕だったことを明らかにした。真正の容疑者として、別の人物がすでに逮捕されている。

警視庁・交通総務課などによると、問題の事故は2005年6月27日未明に発生している。玉川署が世田谷区駒沢付近の国道246号をパトロールしていたところ、信号無視を行った乗用車を発見した。クルマは停止命令を無視し、スピードを上げて逃走したが、発見現場から約1.5km離れた世田谷区用賀1丁目付近の交差点にも赤信号を無視して進入。この際に交差道路を青信号に従って進行してきた25歳男性の運転するバイクと出会い頭に衝突。男性に重傷を負わせたが、そのまま逃走した。

警察では重傷ひき逃げ事故として捜査を開始。同年8月には目撃情報から神奈川県内に住む26歳(当時)の男性を逮捕。男性は危険運転致傷罪で起訴されていた。目撃されていたナンバーのクルマは男性が個人売買で事故直前に転売していたが、これを買い受けた男は「事故当時に運転していたのは男性」と公判でも証言していた。だが、問題のクルマは事故後の行方がわからないまま。検察は最大の物証であるクルマを確認できないまま公判を続けていた。

これに不審を抱いた男性の友人らが調べたところ、公判で証言を行った男が事故後にクルマを山中に遺棄していたことが判明した。友人らはクルマを発見して警察に通報。証言した男は別の窃盗罪で逮捕されて服役していたが、今月に入ってから「運転していたのは自分だ」と容疑を認めた。十数人の友人に口裏合わせを迫っていたという。

警察では誤認逮捕を認めて男性に謝罪。6月28日までに釈放されている。警察では改めて2人を危険運転致傷容疑などで逮捕しており、現在進行中の男性の公判では無罪を求めていくことにしている。

《石田真一》

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