2005年7月、石川県金沢市内の国道8号で高速度走行などの無謀運転を行い、同乗者3人を死傷する単独衝突事故を起こしたとして、業務上過失致死傷罪や道路交通法違反などの罪に問われた23歳の男に対する判決公判が6月30日、金沢地裁で開かれた。裁判所は被告の男に対して懲役8年の実刑を命じている。
問題の事故は2005年7月4日未明に発生している。金沢市二宮町付近の国道8号を猛スピードで走行していた乗用車が中央分離帯のフェンスに衝突。これを突き破って北陸自動車道の高架橋下に設けられた緑地帯に突っ込んだ。クルマは大破し、乗っていたいた4人のうち、助手席に同乗していた20歳の男性が頭を強打して死亡。運転していた男(被告)が全身打撲の重傷、後部座席に同乗していた女性2人が打撲などの軽傷を負った。
運転していた男は2004年2月に違反累積のために免許取り消し処分を受けていたが、これを隠蔽するためか「死亡した男性が運転していた、自分は知らない」などと強固に主張。業務上過失致死傷で逮捕・起訴された後も同様の主張を繰り返していた。だが、それまでの調べで免許取り消しを受けた以後も男が日常的にクルマの運転を続けていたことが発覚している。
6月30日に開かれた判決公判で、金沢地裁の田中智子裁判官は「事故当時、自分は運転してなかった」という被告の主張を退け、被告が運転していたことは間違いないと認定した。その上で日常的な無免許運転や、法規を無視した無謀運転について「いずれも大胆かつ、悪質である」と認め、複合罪を適用。被告に対して懲役8年の実刑を言い渡した。