BMWグループは、『MINI』を生産しているオックスフォード工場に革新的な塗装技術を導入したと発表した。
IPP(統合塗装処理)と呼ばれる効率的なシステムで、高品質の塗装基準を満たしつつ、長期にわたるエネルギー削減やボディーシェルのVOC排出量削減が可能となる。IPPの導入により、オックスフォード工場の年間生産能力を最大24万台に拡大することが可能となる。
IPPは従来の下塗り工程やオーブン過熱による塗装膜形成工程が必要無くなる。下塗り工程に代わって新しく開発した2層のベースコートで塗装する。2層のウェット・オン・ウェット塗装工程では、第1のベースコートが下塗りの役割を果たし、第2のベースコートが色、効果、深みなどといった視覚的特性をカバーする。従来通りベースコートの上にはトップコートを用いる。
IPPシステムは、視覚的にも耐久性でも従来の塗装処理と同様の高品質を保っているとしている。
IPPの導入は塗装工程を効率化させると同時に、溶剤型の下地用塗料を使用しないため、環境にも優しい。IPPの採用でオックスフォード工場の塗装部門では10%以上のエネルギー及びVOCが削減できる。
今回の新しい技術の導入とオックスフォード工場の塗装部門への新たな塗装ライン設置は、BMW Groupが昨年2月に発表したMINI生産工場に対する1億ポンド以上の投資の一環。
MINI専用の生産工場であるオックスフォード工場は、BMWの生産ネットワークの中で今回初めて新しい塗装工程を導入した。2006年5月には全ての色の切り替えが完了する予定。また、他のBMWグループ生産工場に関しては、塗装工程内で交換や修理が必要になった時点で、ケースバイケースでIPPの導入を検討する方針。