アウディAGは、1000万ユーロ以上を投資して新しい風洞実験設備を導入すると発表した。
新たに建設する気候・風洞実験施設は、プロジェクト全体への投資額は1000万ユーロを超え、2007年7月末に完成予定。この気候・風洞実験施設では、7人のスタッフがシフトを組んで勤務する。
現在稼動中の熱風洞に対して、この気候・風洞では温度を氷点下にまで下げることが可能で、最大幅で摂氏マイナス40度からプラス55度までの温度調節が可能となる。この結果、オイルや水回路の冷却性能、極暑でのエンジンやインテリアの状態、極端な低温条件下での個々のシステムの性能を実験することが可能になる。
風洞の中心部には送風機が設置され、250km/h超で6平方メートルの大型ノズルから実験エリアへ風を送り込む。断面積が熱風洞の2倍ある大型ノズルで、最新世代のモデルを開発・改良することが可能になる。同社では、新しい風洞によって、アウディは『Q7』などの大型SUVの開発に向けて理想的な形で態勢を整えることができるとしている。また、この風洞にはランボルギーニ『ムルシエラゴ』のような極端に幅の広いスポーツカーも収容できる。
アウディの「クワトロ」フルタイム4WDシステム搭載モデルの実験向けに、各アクスルに204馬力を配分するデュアル・アクスルを配備した。さらに、空調室や人工雪を使用した実験設備の導入も検討している。