神奈川の高校生死傷事故、危険運転は故意と認定

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2005年10月、神奈川県横浜市都筑区内の市道で、暴走した乗用車が下校途中の高校生を直撃し、9人が死傷する事故を起こしたとして危険運転致死傷罪に問われた24歳の男に対する判決公判が13日、横浜地裁で開かれた。裁判所は被告の男に対し、懲役16年の実刑を命じている。

問題の事故は2005年10月17日午前に発生した。横浜市都筑区南山田付近の市道を走行中の乗用車が雨で濡れた路面によってスリップし、カーブを曲がりきれずに逸脱。歩道を歩いていた高校生の列に突っ込んだ。この事故によって2人が死亡、7人が重軽傷を負っている。警察ではクルマを運転していた23歳(当時)の男を業務上過失致死傷容疑で逮捕した。

その後の調べで、クルマは100km/h以上の速度で走行していた可能性が高くなり、検察が危険運転致死傷罪で起訴していた。現場の市道は40km/h制限となっているが、被告の男は「60-70km/hで走行していた」と主張。これに対して警察や検察では車両の破損状況やタイヤ痕などから「109−128km/hで走行していた際にコントロールを失って突っ込んだ」と主張しており、衝突時の速度の部分が最大の争点となっていた。

13日に開かれた判決公判で、横浜地裁の栗田健一裁判長は、衝突時の速度については検察側の主張を採用。被告の主張を退けた。その上で被告が事故当時、サーキットのようなショートカット走行(いわゆるアウト・イン・アウトのライン取り)をしていたことを指摘。対向車線へ故意に進入していることから「進行を制御することが困難な速度で、故意に危険な走行を行った」と認めた。

また、裁判長は被告が被害者や遺族に対して謝罪の言葉を述べていないことも批判したが、量刑については「この種の事案としては最も悪質であるが、他の事案との均衡をふまえたとすれば、再上限の懲役刑は躊躇せざるをえない」として、懲役20年の求刑に対し、同16年の実刑を命じている。

《石田真一》

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