事故の目撃者を故意にはねた男に懲役16年判決

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2005年12月、愛知県名古屋市東区内でクルマの当て逃げを阻止しようとした男性を故意にはねて死亡させたとして、殺人罪に問われた41歳の男に対する判決公判が7日、名古屋地裁で開かれた。裁判所は「未必の故意」を認め、懲役16年の実刑を命じた。

問題の事件は2005年12月18日の早朝に発生した。名古屋市東区白壁付近の国道41号線で、乗用車とトラックが接触する事故が発生。乗用車はその場から逃走しようとしたが、これを目撃した41歳の男性がそれを阻止しようと前方で立ちはだかった。だが、乗用車は男性をそのままはね、さらには約400mに渡ってひきずった。男性は別のクルマにもはねられ、頭部強打などを原因として収容先の病院で死亡している。

クルマはそのまま逃走したが、警察は後に傷害致死などの容疑で34歳の男を逮捕。男が男性をボンネットに乗せたまま走行していたことから、この段階で停止していれば受傷程度が低かったと判断。男が加速を開始したのはこの直後だったことなどから、検察では「未必の殺意が生じた」として殺人罪で起訴していた。

7日に開かれた判決公判で、名古屋地裁の伊東一広裁判長は「逃走を阻止しようとクルマの前に立ちふさがった被害者をはねて死亡させる危険性を認識しながらも、被告はクルマを発進させた」と指摘。未必の故意を認め、被告側の「男性が死亡した直接的な原因は他のクルマにはねられたから」という主張を退けた。

その上で「被告は飲酒運転を起因とする物損事故の責任から逃れようとした。犯行は自己保身を目的とした短絡的、無思慮かつ自己中心的な動機から起こされており、酌量の余地は皆無である」として、被告に懲役16年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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