過労運転起因の多重衝突 実刑判決

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今年2月、京都府宇治市内の京滋バイパスで、渋滞中の車列に大型タンクローリーで追突する事故を起こし、9人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪などに問われた35歳の男に対する判決公判が10日、京都地裁で開かれた。裁判所は懲役4年6カ月の実刑を命じている。

問題の事故は2月13日早朝に発生した。宇治市槙島町付近の京滋バイパス上り線で停車中の車列に大型タンクローリーが激突、停車中のクルマを次々と押し出し、結果として12台が関係する多重衝突事故に発展。3人が死亡、6人が重軽傷を負った。

運転していた35歳の男は連続勤務による過労状態で、事故当時は居眠りをしていた。しかし、会社の指示もあり、当時は「脇見運転だった」と主張するなど、虚偽の供述も行っていた。

10日に開かれた判決公判で、京都地裁の三輪篤志裁判官は、「被告は会社側の指示によりも過重な労働を強いられた」と指摘。事故の背景に過重労働や、これを起因とした過労運転があることを認めた。

しかし、その一方で「疲労による眠気を自覚し、前方を注視するのが困難な状態になっても運転を続けた責任は被告にある」と認定。「過労運転の責任を被告のみに負わせるのは酷だが、取り返しのつかない危害は正当化できない」として、被告に対して懲役4年6カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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