ダイハツの新型軽自動車『ソニカ』に乗って最初に感じたのが、静粛性の高さだ。軽自動車の快適性は年々レベルアップしているが、ソニカの静粛性や乗り心地は、掛け値なしで軽自動車とは思えぬレベルに達している。
ソニカのチーフエンジニアを務めた堀信介さんは「ソニカは1泊2日程度のロングドライブもこなせるツアラーとして開発を進めましたので、音や振動、乗り心地に関しても、妥協することなく研究を重ねました」
「その結果、エンジンマウントの改良やドアの二重シール化を行ない、遮音性を高めることに成功しました。でも、それだけではなくワイパーやドアミラーも風切り音の少ないデザインを採用しています」
「足まわりに関しても『RS』グレード以上は15インチタイヤを装着して、前後にスタビライザーを採用することで、スポーティなハンドリングを狙っていますが、決してやんちゃな乗り味にはしていません」という。
実際にソニカのフットワークについても、軽自動車をドライブしている感覚を忘れさせるほど、ひとクラス上の乗り心地を体感できる。ハンドリングはクイックな反応は少ないものの、ナチュラルにロールが抑えられており、しなやかな動きを見せてくれる。それでいながら、乗り心地には嫌な硬さは感じられず、長時間乗っても疲れにくい快適性を備えているのだ。
このフットワークと乗り心地の両立は、ソニカの低い全高に対して長めにとられたホイールベースによって実現したものだろう。この秀逸な走りも、ソニカのスタイルから得られる、ひとつのメリットなのかもしれない。(つづく)