マツダ『ロードスター』に追加設定された「パワーリトラクタブルハードトップ」(RHT)のエクステリアデザインは、フロントマスクからドアまではソフトトップと共通だが、ルーフ、リヤフェンダー、トランクリッドは専用設計されている。
リヤまわりはルーフを収めるために、ソフトトップより若干厚み増し、ルーフの付け根付近で40mm、トランクリッド後端では20mmほど高くなっているが、2台を並べて見比べない限り、その違いを感じられる人は少ないだろう。
ロードスターの開発主査を務めた貴島孝雄さんは「パワーリトラクタブルハードトップを開発するうえで、もっとも苦労したのがエクステリアデザインでした。ソフトトップのイメージをスポイルすることなく、自然にまとめ上げるのに、何度もデザインをやり直しました」
「その結果、ルーフを開けた状態ではソフトトップに遜色ないデザインを実現することができ、そしてルーフを閉じている状態では、コンパクトなキャビンを強調する流麗なルーフラインを持つ、スポーティなフォルムを手に入れることができました」という。
実際にパワーリトラクタブルハードトップのデザインは、オープン時はソフトトップに近く、ルーフを閉じた状態ではソフトトップよりもエレガントな雰囲気に包まれている。電動ハードトップで、ここまで破綻なくデザインできているクルマはほかにはないだろう。