日産自動車が満を持して登場させる新型V6エンジン「VQ35HR」(排気量3.5リットル)、「VQ25HR」(排気量2.5リットル)。型式こそ現行『スカイライン』搭載機と同じVQだが、事実上別のエンジンというのが日産の主張だ。
全面刷新されたエンジンブロックを持ち、ピストンやコンロッド、動弁系などのムービングパーツほか、主要部品の8割が新設計だという。残る2割のほとんどはあえて再設計の必要がないものとのこと。
開発責任者の薄葉洋常務は「新しい型式名にすべきという議論もあったが、われわれはVQという型式名に強い思い入れを持っており、VQの名をあえて継承させた」と語る。
VQエンジンは94年にFF化された『セフィーロ』に搭載されて以降、直噴化や電磁可変バルブタイミング機構採用などの改良をこまめに受け、12年連続で米国ワーズ社の「Ward's 10 Best Engines」に選出されるなど、高い評価を受けてきた。そうした歩みをバックボーンとして、VQの型式をブランド化したいという日産の思いが見える。
軽快なレスポンス、濁りのないエンジン音、低燃費、クリーンな排ガス性能など、次世代エンジンに要求されるファクターを高次元で並立させたという新VQ系列。その仕上がりぶりやいかに。