【新連載 伊東大厚のトラフィック計量学】e燃費データでみるマイカーの燃費 その1

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【新連載 伊東大厚のトラフィック計量学】e燃費データでみるマイカーの燃費 その1
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統計としてのe燃費

レスポンスがサービスする、携帯燃費マネージャー“e燃費”は、そのユニークな携帯活用法に、筆者はかねてから注目していた。e燃費のデータは、会員向けサービスにとどまらず、統計としても活用できる。そこでe燃費データを使い、マイカーの燃費についてのトピックをいくつか紹介したい。

そもそも燃費は、渋滞や運転方法などブレの大きなデータだ。e燃費は、37万人以上の会員が定期的に給油を記録しており、サンプルが多く信頼できる。車種別、月別、地域別の燃費がわかる点は、政府のマクロ統計にない特徴だ。会員の多くは乗用車ユーザーであり、e燃費は、“マイカーの平均的な燃費”と考えてよい。

◆燃費と温暖化対策

ところで、自動車の燃費は、温暖化対策の観点から、近年大いに注目されている。なぜなら、自動車のCO2排出量、すなわち燃料消費量は、燃費と走行距離で決まるからだ。
自動車が9割近くを占める、運輸部門のCO2排出量は、04年度で2億6153万トンである。京都議定書を踏まえた10年度の目標は2億5000万トンなので、あと1153万トン削減しなければならない。途方もなく大きな数字に感じるが、比率にすると4.4%に過ぎない。つまり、あと4.4%燃費を良くするか、走行距離を短縮すれば、目標が達成できる水準になるのだ。

◆新車代替の効果を検証してみると…

温暖化対策のひとつが、燃費の良い自動車を普及させる、という単体対策だ。e燃費サイトから、毎月の燃費の会員平均値がわかるので、単体対策の効果をe燃費データで検証してみよう。図は、2001年、2003年、2005年の実走行燃費の月別平均値(給油記録毎の燃費を単純平均した値)をプロットしたものだ。

季節で変動するが、乗用車の燃費は着実に向上している。e燃費は、新たに会員が増えているので、新車への代替と同じようにサンプル構成が変化する。厳密には、e燃費データの年式、車重、地域の構成比が、日本全体の保有構成と一致するか検証が必要だが、燃費は改善傾向にあり、新車代替の効果が出ているとみて良いだろう。

また燃費は5月と10月が良く、夏と冬は悪い。e燃費データはドライバーの感覚とも一致する傾向を示す。統計としても充分活用できる所以である。

《伊東大厚》

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