日立製作所日立研究所はこのほど、ザナヴィ・インフォマティクスと共同で、交通渋滞の伝播速度を解析することで、数分から数時間程度先の短期的な交通状況の変化を高精度に予測する技術を開発した。
同技術は、高速道路上で発生した渋滞が、どれくらいの時間をかけて、どの程度の距離まで伝播するかを、路上センサから得られる過去の交通情報データから予め分析し、渋滞の影響範囲を高精度に予測するもの。
同技術により、交通量の変化が大きく、渋滞発生が過去の統計データから予測できない道路区間でも、近隣の道路区間における交通渋滞が伝播する時間を考慮して、今後の渋滞発生を予測することが可能となり、所要時間の予測誤差を従来法に比べ最大で50%以上改善できるという。
これまでは、交通状況の時間的変化、あるいは渋滞伝播による渋滞箇所の位置変化の、いずれか一方しか着目しておらず、近隣の道路区間からの渋滞伝播を反映できないこともあった。
それが今回、交通状況予測モデルに、渋滞伝播速度をパラメーターに加えることで、交通状況の時間の変化と位置変化を結びつけ、予測情報の高精度化を達成した。
なお、この成果は10月8日からロンドンで開催される第13回ITS世界会議で発表される。