標準仕様で365万ドル(4億3800万円)と、VLJ(ベリーライトジェット=超小型ビジネスジェット)としては最高価格帯に属するホンダの新型ビジネスジェット『ホンダジェット』。低価格で知られる双発ビジネスジェット、エクリプス『500』の2.4倍というプライスタグにもかかわらず、初期受注は好調。
ホンダジェットが評価を受けているポイントは、同クラスの機体に比べて3割向上しているという燃費、エンジン搭載法の工夫による機内騒音の低さと室内空間の広さ、低排出ガスなど。アメリカの自動車業界ではトヨタ『プリウス』、ホンダ『シビックハイブリッド』などのハイブリッド車が大人気だが、ハイブリッド車の持つ“低燃費、低排出ガス、低騒音”といった特性は空に上がっても付加価値として認められることを見せつけた格好だ。
ホンダジェットの公称スペックは以下の通り。全長12.5×全幅12.2×全高4.1m、最大離陸重量4173kg、最大巡航速度420kt/h(778km/h)、最大巡航高度4万1000ft(1万2500m)、航続距離1100nm(2037km)、標準定員6名(操縦者2+乗客4または操縦者1+乗客5)。
性能で際立っているのはリッター3km近い燃費と最大巡航速度。とくに速度はサイテーション『マスタング』(630km/h)、エクリプス500(695km/h)、エンブラエル『フェノン100』(704km/h)など、同クラスの競合モデルに対して格段に優速で、商用旅客機のボーイング『737』に近い。