【EVS22】日立のマイクロハイブリッド

自動車 ニューモデル 新型車
【EVS22】日立のマイクロハイブリッド
【EVS22】日立のマイクロハイブリッド 全 3 枚 拡大写真

EVS22において、高出力型ハイブリッドモーター、マンガン系リチウムイオン電池、バッテリー出力制御用の新ASICなど、EV関連の要素技術を多数展示した日立製作所。

展示物のなかでとくに目立っていたのは、米GMのサターン『ビュー・グリーンライン・ハイブリッド』に搭載される、日立独自のマイクロハイブリッドシステムだろう。

マイクロハイブリッドとは、アイドリングストップ車にモーターアシスト機能を付加した、ハイブリッドとしては最も簡便なシステムを指す。日立のマイクロハイブリッドは、車両電圧を通常の12ボルトから42ボルトに上げ、セルモーターの代わりに最大トルク15.9kgmの発電機兼モーターを装着したもの。

加速のときに適宜駆動力をアシストし、減速のときにはエネルギーを回収、ニッケル水素電池に電力として蓄えるという流れは普通のパラレルハイブリッドと同様。エンジンへの動力供給は、通常のセルモーターより格段に太いベルトを介して行われる。

ハイブリッドとしてはきわめて原始的なシステムだが、効果は意外に大きい。ビュー・グリーンライン・ハイブリッドの燃費はアメリカのシティモードで27mpg(11.4km/リットル)、ハイウェイモードで32mpg(13.6km/リットル)。システム出力は170psと低いものの、燃費性能では定評のあるトヨタ『ハイランダー・ハイブリッド』(日本名『クルーガー・ハイブリッド』)のFFモデル(268ps)と同数値である。

リッターカーなど小型軽量のクルマをハイブリッド化する場合、マイクロハイブリッド方式は重量、システム容積、価格など多くの面で非常に有利と言われる。今後のハイブリッド車の販売動向次第では、日立製システムの販売は大いに伸びる可能性もある。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. いつでもビーチ気分! 夏仕様のSUV『ハバナ』が30台限定で登場、499万円から
  3. スズキ『エブリイ』が災害時は「シェルター」に、軽キャンピングカーの新たな可能性
  4. メルセデスベンツ『CLA』新型、第4世代「MBUX」にセレンスの会話型AI技術搭載
  5. 新型フォレスター半端ないって! 純正用品で大変身、日本初披露“サンドカラー”のクロストレックが登場…東京アウトドアショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る