三菱自動車とMMSPは、2007年ダカールラリー(通称パリダカ)に、「チーム・レプソル三菱ラリーアート」から、これまでに培ってきた技術力と優位性をさらに高めた新開発「パジェロエボリューション」(MPR13)の4台体制で参戦する。
三菱自動車チームの日本人エースドライバー・増岡浩は「前回は序盤でリタイアしてしまい、非常に悔しかった。MPR13はとても扱いやすく、狙ったラインを外さない、優れたハンドリングを実現している。テストも順調に消化でき、大いに手応えを感じている」と語る。
パリダカは02年大会から、FIAグループ「T1」(改造クロスカントリーラリー車両)規定に則った「スーパープロダクション」規定がトップカテゴリーとなった。同規定に基づいて開発した初代パジェロエボリューション(MPR10)は、03年大会で増岡によりデビューウィンを飾った。その後、05年大会からMPR11、06年大会からMPR12へとバージョンアップを重ね、デビューから負けなしの4連勝中。
MPR13について三菱自動車技術開発本部の中山修モータースポーツ部長は、「ライバルたちの戦闘力を予測分析し、MPR13は『トータルバランスを高める』ことをテーマに開発した」という。
「三菱自動車チームには、1983年から連続して挑戦してきた中で培った技術とノウハウがある。パジェロエボリューションは実戦を通じてマイナーチェンジを重ね、MPR13は集大成となるニューモデルだ」
また三菱自動車チームを統率するドミニク・セリエス監督は、「6月と9月の2度にわたって、合計で1万km以上の大規模なテストをモロッコで行なった。そこでの手応えに勇気づけられた。ダカールで笑うのは我々」と語る。
三菱自動車のモータースポーツ統括会社MMSPの鳥居勲社長は「ライバルの台頭により、今大会はこれまでで最も厳しい戦いとなるだろう。しかし我々は、新型パジェロエボリューションの開発にこれまで以上の努力を傾けた。7連勝と通算12勝で自らの記録を更新する」と自信を語った。