制限速度でも衝突は防げない…不起訴不当事件に無罪判決

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2001年11月、徳島県徳島市内の国道192号を自転車で横断していた16歳の男子高校生をクルマではねて死亡させたとして、業務上過失致死などの罪に問われた29歳の男性に対する判決公判が17日、徳島地裁で開かれた。裁判所は男性に対して無罪を言い渡した。

この事故は2000年11月25日夜に発生した。徳島市元町1丁目付近の国道192号を自転車で横断していた16歳の男子高校生と、国道を走行してきたクルマが衝突。高校生は事故によって死亡した。

検察は「事故は自転車側の信号無視が原因で起きた」として男性を不起訴としたが、2005年10月に「クルマは黄色信号から加速して交差点に進入した可能性がある」として徳島検察審査会が不起訴不当を議決。これを受けて再捜査した徳島地検は「自転車側の信号無視」という判断は覆さなかったものの、「クルマは青信号で進入したが、赤信号を無視して進行してきた自転車の存在を見落とした」として、時効3日前に業務上過失致死罪で在宅起訴していた。

公判でも争点となったのは事故当時の速度超過と前方不注意だったが、17日に行われた判決公判で徳島地裁の杉村鎮右裁判官は「制限時速を遵守して進行したとしても被害者の姿を認知することは難しかった」と判断。「姿を確認してからブレーキを掛けたとしても衝突を回避することはできなかった」と結論づけた。

また、もうひとつの争点だった前方不注意については「信号機を無視して進入してくることまでを予想する必要はない」として、事故との因果関係を否定。被告には過失がないとして無罪判決を言い渡した。

《石田真一》

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