冗談では済まされず、虚偽通報に実刑判決

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今年9月、宮城県仙台市消防局などに対し、「トンネル内で多重衝突事故が起きた」などの虚偽通報を行い、実際に消防車や救急車を出動させるなどして偽計業務妨害の罪に問われた29歳の男に対する判決公判が21日、仙台地裁で開かれた。裁判所は被告に実刑を命じている。

問題の事件は9月11日に発生している。同日午前、仙台市消防局に対して「国道48号の関山トンネル(仙台市青葉区作並付近)でトラック5台の多重衝突事故があり、クルマが炎上している」との通報が寄せられた。

通話の途中で電話が切れ、以後の掛け直しができなかったこともあり、消防では「緊急性の高い事故が起きた可能性がある」と判断。仙台市消防局から16台、山形県東根市消防本部から6台、合計22台の消防車を出動させたが、間もなく虚偽通報であることが発覚した。

仙台市消防局に対しては類似の虚偽通報が7月にもあったが、警察では番号通知された電話番号から所有者を特定。結果として所有者の知人だった29歳の男が電話を無断で使用していたことが判明。この男を偽計業務妨害容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。

21日に開かれた判決公判で、仙台地裁の鈴木信行裁判官は「被告は勤務先の労働条件の悪さに苛立ちを覚え、そのうさを晴らす目的で虚偽通報を繰り返した」と指摘した。その上で「単なる人騒がせでは済まされない。虚偽通報を受けた消防車や救急車が出動し、その間に実際の緊急事態が起きれば被災者や急患の人命が失われる可能性もある」として、被告に懲役2年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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