これもVWプラットフォーム戦略の一貫。最近ヨーロッパで大流行している手頃なサイズの4シーターオープンだが、こんな遊びグルマでも真面目な雰囲気が表面に出てしまうところがVWらしい。
注目のルーフは幌ではなく、全面メタルでもないユニークさが特徴。電動油圧により25秒でオープンにできるほか、閉じた状態でも上だけスライディングルーフ状にできるなど、いろいろな顔を持つ。
オープン状態でもボディのがっしり感は抜群。気流も巧みに処理されていて、120km/h までなら髪がなぶられる程度だ。ただし後席(とりあえず乗用車的にちゃんと乗れる)では、オープンで耐えられるのは市街地ドライブのみ。また、オープンではトランク容積が半分以下になるので、普段は閉じてクーペとして使うことになりそうだ。その状態での居住性は非常によろしい。
走りはメカを共有する『ゴルフ』そのまま。どこまでも安定しながら俊敏さもあり、快適性の奥に逞しさも秘めている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★☆☆
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。