ショベルカー落下事故で土木事務所職員に逆転無罪

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2004年11月、神奈川県横浜市戸塚区の市道トンネルで、高さ制限バーに衝突した重機がトラックの荷台から落ち、これの直撃を受けた歩行者が死亡した事故に関連し、業務上過失致死罪に問われた横浜市の土木事務所の男性職員に対する控訴審判決公判が11日、東京高裁で行われた。裁判所は1審判決を破棄。男性に無罪を言い渡した。

問題の事故は2004年11月30日の午前7時55分ごろ発生している。横浜市戸塚区戸塚町付近の国道1号線の下を通る市道トンネルで、31歳の男が運転する普通トラックが通過しようとした際、荷台に積載していた小型パワーショベルが入口付近に設置された高さ制限バーへ接触。その弾みで小型パワーショベルが落下し、トンネル内を歩いていた65歳の男性を直撃。男性は下敷きとなり、全身強打で間もなく死亡した。

このトンネルは高さ制限バーが斜めに設置された特異構造となっており、この事故以前にも同様の事故が起きていた。被告となっていた横浜市戸塚土木事務所の男性職員は住民から改修の陳情を受けていたが、これを約1年半に渡って放置。この責任を問われて業務上過失致死罪で起訴された。

1審の横浜地裁は被告が人身事故の発生を予見できる立場でありながら、これを看過したと判断。「市民の生命の安全にかかわる公務に従事する自覚に欠けると評されても止むを得ない」と指摘し、罰金20万円を命じていた。

11日に行われた控訴審判決公判で、東京高裁の大野市太郎裁判長は被告が事故発生を予見できたかどうかについては1審の判断を踏襲。「改修工事が適切に行われていれば、2004年11月の事故は起きなかった」と判断した。

しかし、危険性を看過して改修工事を実施しなかったことが注意義務違反に問われるかどうかについては、これを否定。「高さ制限バーが通常有すべき安全性を欠いていたとは認められない」と最終的に判断し、被告に対して無罪の判決を言い渡した。

《石田真一》

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