トヨタの新プレミアムハッチバック『ブレイド』のシャーシは、Cセグメントクラス(2ボックスの場合、全長3.85−4.3m)の欧州戦略車『オーリス』と共通のシャーシを使って作られているが、上質な乗り心地を実現させるため、徹底的なファインチューンを施したという。
オーリスではAWDのみに与えられていたダブルウィッシュボーン・リアサスペンションをFWDにも採用している。
シャーシ設計を担当した井戸清智氏はその狙いを、「FFもダブルウィッシュボーンとしたのは、乗り心地を向上させるためです。性能的にゆとりのあるダブルウィッシュボーンは、操縦安定性と乗り心地のバランスポイントをトーションビームより高いところに持って行けますから」と説明する。
ブレイドはオーリスと異なり、国内専用モデル。最高速度が低い日本では、超高速域のスタビリティや操縦安定性を高めても、ユーザーはその恩恵にほとんど預かれない。そのぶん、高性能のリソースを走りではなく、乗り心地に振っているのである。
「走りのベンチマークとしたのはフォルクスワーゲン『ゴルフ』ですが、走り味については国内専用モデルとして、スムーズでフラットに走ることを重用視しています。ショックアブソーバー、スプリング、ブッシュなどのチューニングもソフト志向。クラスを大きく超えた乗り心地と静粛性を確保できたと思います」(井戸氏)
ディーラーでの試乗においては、そうした乗り心地のチューニングもチェックポイントだ。