飲酒運転を制止しようとした妻をはね死なす 公判開始

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昨年11月、福島県鏡石町内で飲酒運転の制止を行った妻をクルマではねて死亡させたとして、業務上過失致死と道路交通法違反の罪に問われた45歳の男に対する初公判が1月29日、福島地裁郡山支部で開かれた。被告の男は起訴事実を認めている。

問題の事故は2006年11月23日深夜に発生した。鏡石町成田付近の町道で、近くに住む43歳の女性が頭から血を流して倒れているのを近隣住人が発見。女性は近くの病院に収容されたが、頭部強打などが原因で間もなく死亡した。

警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始したが、被害者の夫である45歳の男が所有するクルマに事故の痕跡を発見。酔い潰れて家で寝ていた夫が事故を起こしたと判断し、業務上過失致死などの容疑で逮捕した。男は泥酔状態で、自分の妻をはねたという認識がなかった。

1月29日に行われた初公判で、被告は起訴事実を全面的に認めている。冒頭陳述で検察側は「被告は飲酒運転で帰宅した際に妻と口論となり、これに嫌気を感じたことが事故の発端となった」と指摘した。男は最初クルマの中でタバコを吸って気分転換を図ろうとしたが、再び飲酒運転することを危惧した妻が追いかけてきたためにクルマを発進させた。

その後、約80m離れた交差点で信号待ちを行った際に追いつかれたが、近くの駐車場でUターンを試みた際に女性をはねたとみられる。この際、男は「妻の顔を見たくない」という理由でヘッドライトを消灯しており、これが原因で妻の姿が見えなくなったという。

男は妻をはねたことは認識しておらず、その後に妻が追いかけてこないことに疑問を持つこともなく、自宅に戻って寝ていた。妻の死亡を警官から聞かされたときには愕然としていたが、調べに対しては「妻は自分(被告本人)の飲酒運転を止めたかったのだと思う」と答えていた。

《石田真一》

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