独ダイムラークライスラーが、シュトゥットガルトで運営するメルセデスベンツ博物館には、世界各国のセレブリティが使用したベンツ車を展示するコーナーもある。
世界的にも、もっとも有名なセレブ車といえば、ローマ教皇だった故ヨハネ・パウロ2世を乗せた『ポープ・モバイル』だろう。1980年のドイツ訪問の際に、同教皇を、雨と風から守るために、メルセデス・ベンツ『230G』をベースに作られた。1981年の暗殺未遂事件を機に、防弾ガラスが採用され、それ以来、同教皇を象徴する自動車となった。
一方、故ダイアナ英皇太子妃は、1991年12月に、メルセデス・ベンツ『500SL』をプライベートに運転する自動車として選んだ。英王室の歴史上、初めて外国製の自動車を運転する王室メンバーとなった。しかし、当時の英国政府や自動車産業界、労働組合からの批判を受けて、ダイアナ妃は1年後に、このベンツを返却したという。
このほか、1974年サッカーW杯西独大会で、各国代表選手を乗せたバスや、映画『ロストワールド』(映画『ジュラシックパーク』の続編)で登場した迷彩仕様のベンツも展示されていた。