直接混合のバイオエタノールガソリン、水が入ると濁って水量増加

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直接混合のバイオエタノールガソリン、水が入ると濁って水量増加
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新日本石油は5日、横浜市中区の中央技術研究所で報道陣を招いて自動車用バイオマス燃料についての技術説明会を行った。そこでは、エタノール直接混合とETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)の違いなどの実験デモが行われた。

その実験デモでは、机の上に通常ガソリン、ETBEガソリン、エタノール直接混合ガソリンがそれぞれ1リットル入ったフラスコが用意された。そこにそれぞれ10ccの水を入れて、その違いを見るものだったが、通常ガソリンとETBEガソリンは変化がなかったものの、エタノール直接混合ガソリンは透明さがなくなり、少し白っぽく濁ってきた。

しかも、フラスコの下に沈んだ水を下から抜き取ってみると、その量は10ccではなく、なんと18ccに増えていた。これは、エタノールが水分と融合しやすいためで、ガソリン中のエタノールが水に溶け、水量が増してしまったわけだ。このように、エタノール直接混合ガソリンは水分が混入すると品質劣化を起こしやすい。

さらに、バイオエタノールをガソリンに直接混合すると、蒸気圧の上昇とパーミエーション(部材からの漏れ出し)によって、蒸気ガスが増加し、光化学スモッグの原因物質である光化学オキシダントが多く発生するという。

一方、エタノールとイソブチレンを合成したETBEはそんな心配もない。そのため、石油業界ではETBEガソリンを4月から試験的に販売を開始することにした。価格についてはまだ未定だが、「レギュラーガソリンと同じようにすべての車に入れて大丈夫」(新日本石油の研究者)だという。

ただ、ETBEガソリンも環境リスクへの対応が必要とのことで、バイオマス燃料導入にはまだまだ課題も多い。

《山田清志》

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