かねてから噂のあった、米サテライトラジオの2大ライバル、XMとシリウスがついに合併する事になった。しかし実際にはサテライトラジオ放送を提供するのはこの2社のみで、合併により唯一のプロバイダーとなる。そのため合併実現までには米独占禁止法などをクリアする必要がある。
合併のおおまかな合意は、現シリウスCEOのメル・カーマジン氏が新たな会社のCEOとなり、XM会長のギャリー・パーソンズ氏は会長職に留まる、というもの。
操業開始以来、XMとシリウスはしのぎを削って来た。しかしプログラムの幅が増え、視聴者も増えているにもかかわらず、巨額の契約金などにより両社ともに経営は圧迫されていた。昨年には両社の株価は4割も下落し、株主らからも合併によるコスト削減を求める声が急増していた。
現時点では新会社の名称などは発表されていないが、合併はどちらかによる吸収ではなく対等であるとされている。新会社の役員会には12人のメンバーが就任するが、GM、ホンダからの代表者も加わるという。
しかし業界アナリストからは、独占禁止法だけではなくアンチトラスト法などもクリアする必要があるため、現時点での新会社発足の可能性はフィフティ・フィフティ、との声もある。
これまでメジャースポーツ、有名DJの引き抜きなどでしのぎを削って来た両社だけに、合併して両方が楽しめるようになれば消費者にはありがたい話だが、競争相手がなくなって料金引き上げ、という事態もあり、今後に注目が集まっている。