仙台アーケード街でのトラック暴走、懲役28年の実刑判決

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2005年4月、宮城県仙台市青葉区内のアーケード街にトラックで進入し、内部で暴走して7人を死傷させたとして殺人や殺人未遂の罪に問われた40歳の男に対する判決公判が15日、仙台地裁で開かれた。裁判所は男に対して懲役28年の実刑を命じている。

事件は2005年4月2日午前に発生した。仙台市青葉区中央付近にある歩行者専用アーケード街に普通トラックが進入。40−50km/hの速度を保ったまま約550mに渡って暴走し、アーケード入口付近で道路を横断していた人を含めた歩行者7人を次々にはねた。このうち3人が死亡、4人が重軽傷を負った。

当初、トラックを運転していた男は業務上過失致死傷などの容疑で逮捕されたが、直後から「お告げがあった」などと意味不明な供述を繰り返し、刑事責任能力の有無を確かめるための精神鑑定も行われた。結果的には統合失調症と判断されたが、「行動を支配するまでのものではなかった」と判断され、殺人と殺人未遂で起訴された。

公判でも弁護側は「被告に刑事責任能力はない」と主張したが、15日に行われた判決公判で仙台地裁の山内昭善裁判長は「被告には統合失調症の症状が疑われ、幻聴で注意力が散漫になった可能性はある」と認定しながらも、「被告はアーケード内に点在する植栽などの障害物を避けてトラックを走らせるなど、運転能力も欠いていなかった。行動もはっきりとしており、このことから考えるに判断能力が著しく損なわれていたわけでない」として弁護側の主張を認めず、刑事責任能力ありと判断した。

争点となった殺意の有無について、裁判長は「警笛を鳴らす、ブレーキを踏むなどの回避措置をとらなかった」などと殺意を認定したものの、「積極的に歩行者を狙ったとは言いきれない」として、未必的殺意に留まるとした。その上で「多数の歩行者の存在を無視した卑劣で身勝手な犯行。背後から衝突し、甚だ危険で残虐だ」と指弾し、被告に対して懲役28年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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