通報だけはした飲酒運転男に懲役6年の実刑判決

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昨年8月、広島県広島市安芸区内の国道31号で、飲酒運転と信号無視を起因とする死亡ひき逃げ事故を起こしたとして、危険運転致死などの罪に問われていた41歳の男に対する判決公判が20日、広島地裁で開かれた。裁判所は懲役6年の実刑を命じている。

問題の事故は2006年8月15日の午後10時30分ごろ発生した。広島市安芸区矢野西4丁目付近の国道31号で、道路を自転車で横断していた51歳の男性が赤信号を無視して進行してきたクルマにはねられた。男性は全身を強打して間もなく死亡した。

警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。第一発見者として消防に通報してきた41歳の男を容疑者として逮捕した。事故当時は飲酒運転で、無謀な追い越しを繰り返していたことも発覚。危険運転致死などの罪で起訴された。

公判において被告弁護側は「被告本人が119番通報しているのだから、救護義務違反(ひき逃げ)には当たらない」と主張していたが、20日に行われた判決公判で広島地裁の岩倉広修裁判長は「被告は飲酒運転の発覚を恐れて現場から逃走しており、救護義務を果たしたとはいえない」として退けた。

その上で裁判長は「被告は交際相手とのトラブルを起こし、その腹立たしさを解消するために飲酒を行い、無謀な運転を繰り返した」と指摘。「運転態様はあまりに無謀で危険極まりなく、悪質」として、被告に対して懲役6年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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