兵庫県警は16日、兵庫県神戸市兵庫区内で原付バイクの2人乗りを行ったとして道路交通法違反の現行犯で逮捕した20歳の男性について、誤認逮捕だったことを明らかにした。当初は同乗者とみられていた34歳の男を新たに検挙している。
兵庫県警・兵庫署によると、事件は11日の午前10時50分ごろ発生した。同署のパトカーが神戸市兵庫区内の市道をパトロールしていたところ、前方に2人乗りの原付バイクを発見。停止を命じた。
バイクは500mほど走ったところで停止したが、後部に同乗していた男が降りた後、前に乗っていた男性はそのまま走り去ろうとしたことから強制抑止。道交法違反(定員外乗車)の現行犯で逮捕。後のアルコール検知で酒気帯び状態であることも判明し、この容疑でも調べを進めていた。
同乗していた男は現場の警官に対して「自分が運転していた」と供述したが、前にいた男性が運転していたのはパトカーに乗っていた3人の警官が現認。逮捕した男性も「自分が運転していた」と容疑を認めていた。
ところが翌12日になってから「後部に乗っていた上司が手を伸ばして運転していた」と前言を覆す供述を行った。パトカーの車載カメラが撮影したビデオ映像を分析したところ、後部の男が手を伸ばしている様子が映し出されていたため、この男に出頭を要請して16日午後に逮捕。男性は誤認逮捕として釈放されている。
今回のケースでは極めて初期の段階で容疑者が「自分がやった」と自供しているのにも関わらずスルーされ、さらには車載カメラの映像よりも警官による目視が優先されるなど、いくつかの問題点があったといえる。警察では「容疑者の確認を徹底するなど、再発防止に努めたい」としている。