【三菱ふそう スーパーグレート 改良新型】尿素SCRで新長期をクリア

自動車 ニューモデル 新型車
【三菱ふそう スーパーグレート 改良新型】尿素SCRで新長期をクリア
【三菱ふそう スーパーグレート 改良新型】尿素SCRで新長期をクリア 全 5 枚 拡大写真

三菱ふそうトラック・バスの大型トラック、新型『スーパーグレート』は、ディーゼル車の排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)など有害物質の排出を厳しく規制する「新長期排出ガス規制」をクリアする環境対応モデルだ。

ディーゼル車の排ガスレベルを下げるための方法として、三菱ふそうが選択したのは尿素SCR方式だ。SCRとは選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction)の略称。

排ガス中に噴霧された「AdBlue」とよばれる尿素水が高温下でアンモニア(NH3)に変化、そのアンモニアをNOxと反応させることで、有害物質のなかでも処理が厄介なNOxを無害な窒素(N2)、水(H2O)に還元するというもの。

「尿素SCRはAdBlueを消費しますが、エンジン側で3%ほど燃費向上を果たしています。AdBlueのコストは燃費向上分で相殺され、ランニングコストは従来のエンジンと同等です。燃費が悪化しやすいDPF方式にくらべ、ユーザーはコスト増なしに新長期規制対応車を運行できるのです。運行距離が100万キロを大きく超える大型トラックには尿素SCRが向いていると思います」(尿素SCR開発担当・片渕雅之氏)

尿素SCRの噴射システムは、ボッシュ製の汎用品で構成される。AdBlueの貯蔵タンク、ポンプモジュール、ドージングモジュール(AdBlueと空気を混合させる装置)、添加ノズル(排ガス中にAdBlueを噴霧する装置)などは日産ディーゼルの尿素SCRにも使われているもの。三菱ふそう独自の部品は、ポンプモジュールに指令を出すECUおよび制御ロジック、および尿素SCRの前後に置かれる酸化触媒などだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  3. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る