パシフィコ横浜で開催された「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2007」(23−25日)にはユニークなものもいろいろ展示されていた。愛知製鋼の「鉄力あぐり」もそのひとつ。
同社は自動車用特殊鋼鋼材や鍛造品などの製造を手がけている企業だが、「鉄力あぐり」はこれまでの製品とは全く異なり、家庭園芸用だ。
なんでもこの商品を土壌に撒くと、植物の生育が格段によくなり、サツマイモなどは2倍ぐらいの大きさになるものもあるという。鉄は人間と同様、植物も窒素、リン酸、カリウムと並んで重要な必須元素だが、その開発は偶然だった。
高温下における鉄のさまざまな反応について研究している途中、ある条件がそろうと酸化第一鉄が生成することがわかった。その特長の一つ、二価鉄イオンがどうも植物にいいらしいということで、ある役員が自宅に持って帰り植物に与えたところ、成長に大きく差が出たのだ。
同社では、「鉄力あぐり」が植物の光合成を促進して大気中の二酸化炭素の増加を抑制し、地球温暖化防止に貢献することから、地球環境改善提案商品として位置づけ、積極的にホームセンターなどに売り込んでいるという。しかし、これまで全く無縁だった世界のため、苦労も多いようだ。