【バイオETBE】CO2の6%削減には欠かせないものだが…

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バイオETBEは今後どうなるのだろうか。導入を主導する石油連盟によると、京都議定書で定められた温室効果ガスの削減の第1約束期間に入る2008年度には販売拠点を首都圏の100店舗に拡大。その後も2010年の本格導入を目指し、全国へ拡大したいとする。

バイオETBEは植物由来であり、原料となる植物が成長する過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するために“大気中のCO2総量は増加しない”という、いわゆる「カーボンニュートラル」の考え方に則っている。植物由来のバイオETBE燃焼によって排出されたCO2については「温室効果ガス排出量として計上しない」というルールがあり、日本が京都議定書で約束する目標値「1990年比でCO2を6%削減」を達成するためには欠かせない材料となる。

だが、カーボンニュートラルには「植物を成長させるために必要なコストが含まれていない」という指摘もある。エタノール燃料先進国のブラジルのように、原料となる植物(サトウキビ)を自国で育て、バイオマス燃料に精製して自国で消費できるのならともかく、日本のように海外から買い付けてタンカーで輸送する場合、吸収するCO2の量を超えてしまうのでは…という考え方だ。

加えて「食糧を燃やして良いのか」という問題もある。バイオETBEはフランスで生産されているが、その原料は小麦とされている。言うまでもなく、それはパンや麺類の原材料とまったく同じものだ。フランスでは余剰・規格外農作物の活用法としてバイオETBEへの転用が始まったという経緯があるが、農作物が不作になった場合には食糧向けに優先され、バイオETBEの生産に影響が出ることも考えられる。

こうした事情も考えれば「非食糧の植物でバイオETBEを生産すること」が今後の課題となることは間違いない。そして日本国内で原材料を調達することも目標のひとつとなるはずだ。

《石田真一》

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