クルマを強奪して自殺を試みた男…「覚えていない」と陳述

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2006年11月、京都府城陽市内で自殺を目的に女性が運転するクルマを強奪。この女性を同乗させた状態で故意に衝突する事故を起こし、女性を死亡させたとして、殺人などの罪に問われた41歳の男に対する初公判が19日、京都地裁で開かれた。

問題の事故は2006年11月18日未明に発生した。城陽市寺田庭井付近の国道24号を走行していた軽乗用車が対向車線側に逸脱し、対向車線を順走していた乗用車と正面衝突した。軽乗用車は中破し、助手席に同乗していた33歳の女性が死亡、運転していた41歳の男が両足を骨折する重傷を負った。クルマは死亡した女性が所有するものだったが、事故の直前に男が包丁で女性を脅して強奪。自殺を図るため、女性を助手席に乗せた状態で故意に事故を起こし、女性は巻き添えで死亡したことが判明した。

警察では「事故に巻き込まれた他人を死傷させるという認識が男にはあった」と判断。未必の殺意が生じていたものとして、男の回復を待って殺人(同乗者)と殺人未遂(対向車乗員)の容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。

19日に京都地裁で行われた初公判で、被告の男は「事故当時のことはよく覚えていない」と陳述。被告弁護側も「起訴事実については争わない」としたが、その一方で「犯行当時の被告は重度の急性一過性精神病性障害で、善悪を判断する能力が著しく低下していた」として、心神耗弱状態だったことを主張している。「インターネットのサイトを閲覧しているうち、自分がアメリカや北朝鮮から監視されていると思いこみ、自殺しようと考えた」と、その動機を明らかにした。

これに対して検察側は冒頭陳述で「クルマで死ぬために盗んだ。わざと衝突させてやった」、「死ぬ気で(事故を)起こしたんだから、治療しないでくれ」と、犯行直後に被告が救急隊員に語ったとする言葉を出し、事故を起こす認識は持っていたと主張している。

《石田真一》

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