燃料電池セル・スタック関連部材などの市場を予測---富士経済

エコカー 燃費

富士経済は、燃料電池セル・スタック関連部材などの市場調査を実施し、その結果を発表、市場予測では、2020年にスタック部材市場が1666億円、水素ステーション市場が203億円、水素ステーション構成機器市場が189億円と予想している。

前提となる2020年の燃料電池システム市場は、自動車が9000億円、家庭用システムが2575億円、業務用・産業用システムが1023億円、マイクロFCが145億円、可搬型56億円となり、全体で1兆2800億円と予測した。

スタック部材はPEFC用スタック部材、SOFC用スタック部材、マイクロFC用スタック部材が対象。

2006年度の市場は、システムメーカーの研究開発用途向け出荷がメイン。家庭用燃料電池向けは2010年頃からシステム出荷の増加に伴い、部材の出荷量が大幅に増えるとみられるが、自動車向けは2015年以降でなければ大きな伸びは期待できないとしている。

部材市場は、量産化によるコストダウンを前提にしていものの、システム需要が立ち上がってから量産効果が十分に生かせる水準に達するにはさらに時間がかかる見通し。各部材の開発レベルは高くなっているものの、コストダウンと高耐久性の両立など、困難な課題も残る。

セル・スタック部材は、電解質、電極材、セパレータなど燃料電池セル・スタックの最重要部材で、これらの部材は燃料電池システム市場の拡大とともに大きく成長すると予想され、大手ケミカルメーカーをはじめ鉄鋼、繊維など多くの素材メーカーで積極的に開発が進められている。

燃料電池セル・スタックの部材開発は、部材への要求レベルが明確になっていないことが開発が困難な要因だ。これはシステムメーカーが燃料電池の運転条件をどのように設定するかによって部材への要求が変化するためで、運転条件も徐々に整理されつつあり、部材開発の指針となるべき情報開示が進むことで今後の開発が進展することが期待される。

一方、水素ステーションは、これの整備の進展を最も大きく左右するのは、FCVの普及動向だ。

現在、水素ステーションの設置・運営は水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFC)によって行われているが、FCVの普及に伴って石油元売などの民間事業者による水素ステーションの設置・運営も行われると予測される。現在、水素ステーションを新設するには約3億円の費用がかかるが、FCVの普及を促進するレベルに水素(燃料)コストを下げるには1億円未満に抑える必要がある。

今後は超高圧70Mpa水素容器を搭載するFCVの導入が始まるとみられ、水素ステーションも対応が求められるとしている。

さらに、水素ステーションを構成する主要機器としては、水素製造装置、水素コンプレッサー、水素ディスペンサー、水素センサ、高圧水素バルブが対象。水素ステーションの普及に伴って市場の拡大が期待される。ただ、普及するにはステーションを構成する装置/部材類は今後コスト削減が強く求められる。

近い将来、FCVには70Mpaの水素容器が搭載されるとみられ、水素供給装置類、部材類には超高圧水素に対応する性能、耐久性が求められる。

《レスポンス編集部》

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