18日にメディア向け試乗会が開催されたBMWの量産型水素内燃機関駆動車『Hydrogen7』(ハイドロジェン7)。次世代の水素エンジンはガソリンよりパワーが出るという。
現状で水素は、ガソリンに比べるとパワーが出ないのが弱点のひとつ(ハイドロジェン7はバイフューエルエンジン)。しかし、BMW、エンジニアリング・ディビジョン、テクノロジー・オフィスの山根健ゼネラルマネジャーによれば、「次世代のエンジンは水素の方がパワーが出ます」とのこと。
次世代エンジンでは、吸入する空気に、液体水素を極低温に近い状態で吹き付け、空気が収縮するのを利用して、ターボなどで過給したのと同じ状態にするのだそうだ。それにより空気を多く採り入れられるので、ガソリン以上に燃焼効率が高くなり、パワーが出るという。
ただし、パーツによっては液体水素の極低温と燃焼時の高温の両方にさらされるため、材料工学的な研究開発も必要だそうだ。なおシリンダーの内壁部分は、水素の流れさえ工夫すれば、直接当たらないのであまり負担はかからないそうである。
今回試乗した、ハイドロジェン7は6.0リットルV型12気筒エンジンと超巨大、これはイメージ面での意味合いもあるようで、まずは高級セダンをベースにしたとのことであった。
もっと一般向けの車両で水素駆動車を作る予定がないのかもうかがってみたところ。現状では具体的な予定はまだ発表できないようだが、もっとサイズダウンして、2.0リットル直列4気筒といったレベルにするのは簡単だそうだ。