衝突に弱い高級車…IIHS調査

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衝突に弱い高級車…IIHS調査
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アメリカの高速道路安全保険機構(IIHS)が行った低速でのバンパーテストの結果が発表された。今回は販売価格が3万ドルを超える高級車が中心だったが、その結果は関係者にショックを与えている。

まず、テストされた11のモデルのうち、4つのモデルで修理費用が1万ドルを超えるダメージが見られた。修理費用が6000ドル以下で済んだモデルはわずか3つだったという。

もっとも修理費用が高く付いたのは、インフィニティ『G35』で1万3983ドル。その他1万ドル以上のダメージを受けたのは、アキュラ『TL』、メルセデス『Cクラス』、レクサス『ES』。最も修理費用が安くついたのはサーブ『9-3』の5243ドルという結果だった。

問題なのは、テスト内容が6マイル/h、という超低速の衝突を想定したものだった、という点だ。テストは4つに分かれ、まず6マイル/hで前後のバンパーに障害物が当たる設定。その後3マイル/hでのサイドコーナーインパクトテストが左右それぞれに行われた。

しかし高級モデルの多くのバンパー位置は他の車両との衝突を想定した場合に位置が低すぎ、車体を守るどころか却ってグリル部分などに損傷を与える結果になったという。またコーナー部分への衝撃を防ぐにはバンパーの幅が狭すぎ、車体とバンパーの距離も十分ではないため、バンパーの役割が十分に果たされていない。唯一コーナーへのダメージを防げたモデルはボルボ『S60』だった。

IIHSでは、特に高級モデルではデザイン重視のためにバンパーの安全性が犠牲になっている、修理のためのパーツのコストそのものが高い、などが原因と指摘している。

高級車はその価格に値するだけの安全性を提供していない、安全面だけを考えるとより価格の低い車に劣る、という今回の結果に、各保険会社は保険料の見直しなどを検討中だという。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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