東日本フェリー、高速大型フェリーを就航

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東日本フェリー、高速大型フェリーを就航
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東日本フェリーは1日、高速フェリーとして世界最大級の「ナッチャンRera」(なっちゃんれら)を函館−青森間に就航させた。車両353台と旅客774人を乗せ、巡航速度は36ノット。従来の所要時間3時間50分を1時間45分に短縮した。

ナッチャンReraは、高速双胴船のスペシャリスト、オーストラリアのインキャット社が建造した波浪貫通型双胴船。船体はアルミニウム軽合金でできている。インキャット製の同型船はすでに世界各国で実績があり、ナッチャンReraは同社の最新船だ。

双胴船というのは、2つの船体を平行に並べ、その間に貨客スペースを設けた船形をいう。安定性がよいことや甲板スペースの広いことが長所であるいっぽう、摩擦抵抗や造波抵抗が大きいことが欠点だった。波浪貫通型双胴船は船首を、波を貫くような形状にして造波抵抗を減らした。

ナッチャンReraのサイズは全長112.0m×船幅30.5m、総トン数は約1万トン。インキャット製の双胴船では全長が最も長い。なお総トン数とは客船の大きさを測る単位で、概略、船をひとつの容器とみなし、その容量を1立方フィート=1tとして換算した数字。同航路の従来型船が約7000総トン、外洋クルーズ船の郵船クルーズ「飛鳥II」が約5万総トンである。

ナッチャンReraはディーゼルエンジン(1万2000HP)で駆動するウォータージェット推進器を4機備え、大型フェリーとしては異例の約36ノット=約67km/h(満載時)という高速で巡航する。最高巡航速度は40ノット(74km/h)、試運転では最高巡航速度45.4ノット(84km/h)を出している。

従来型船で片道3時間50分を必要とする函館—青森航路113kmを、約1時間45分で結ぶ。JRの特急は青函トンネル経由で1時間48分−2時間11分だ。

輸送能力は旅客定員774名、トラック33台・乗用車195台または乗用車353台。客室はエグゼクティブ、ビジネス、エコノミーの3クラスに別れ、カフェ、売店、ラウンジ、キッズルームが設けられている。キャビンアテンダントも乗務し、東日本フェリーでは従来の船より旅客接待の向上を図っているようだ。

函館−青森間の運賃は、長さ6m未満の乗用車が2万円(ドライバー1人のエコノミー料金含む)、エグゼクティブ1万円、エコノミー5000円など。1日から函館−青森間を1日4往復、従来型船と合わせて8往復している。

船名の「ナッチャンRera」は、船体に描かれたイラストの作者の愛称「ナッチャン」と、アイヌ語で「風」を意味する「レラ」からの造語だ。

東日本フェリーはナッチャンReraの姉妹船をすでにインキャットに発注しており、ナッチャンReraが好評なら青森−室蘭航路へ投入する予定もあるらしい。

《高木啓》

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