GMとUAWの妥結が残したもの

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30数年ぶりの大規模ストに発展するかと思われたGMに対するUAW(全米自動車労働組合)のストだが、結局40時間で妥結、終了となった。

どちらにも苦しい事情があり、GM側はストが長引けば2008年の新モデル出荷に滞りが出るし、UAW側がストに応じた組合員に支払う金額は週に200ドル、と生活を維持できるものではない。

最終的にUAWが主張したのは「将来にわたる仕事の保証」の部分で、これに対しGMがひとつの答えを出した。

それはシボレー『ボルト』のハイブリッド車を、デトロイトの工場で2010年より生産開始する、というもの。ボルトに関しては、労賃の安いメキシコ工場での生産が噂されていた。また同じ工場で2009年よりGMが開始するグローバルスモールカー・プラットフォーム車を生産、2012年にはシボレーのミッドサイズカーのデトロイトでの生産なども発表した。

このほか、いくつかの工場で現在生産中の車について、継続して生産プランを発表したが、一方で2つの工場閉鎖の可能性も明らかになった。ひとつはミシガン州のエンジンプラント、もうひとつはインディアナ州の型押しプラントだ。GMでは工場閉鎖時に従業員に新しい職場を探すことを確約している。

実質的な賃金カット、今後3年間の昇給なし、などの厳しい内容を含んだ合意だったが、GMが退職者の医療保険のためにファンドを設ける、などの譲歩も見られた今回の締結。自動車産業を取り巻く環境が苦しいと言われる中で、明るいニュースとして捉えられてはいる。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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